誰かに見てもらうための、簡単なデザイン

ゴスロリなどに代表される、ビジュアル系のデザインを簡単に分析してみた

需要があるのか分からないんでけど、急にビジュアル系ファッション/デザインについてまとめたくなったので書きます。あんままとめてる記事見ないし(需要ないのかも)。

私は、10代後半から20代前半までをゴスロリやらロリィタファッションで過ごした人です。ゴスロリファッションに興味を持ったきっかけは、大体の人がそうであろうマリスミゼルの存在が大きいのですが、あとは当初ビジュアル系バンドが好きで、特にPIERROTが好きで、ライブとか行くとパンクやゴスロリな子がいっぱいいて、そんな環境だったので、自然にそっち方向に傾いていった感じです。

当時は学校も買い物も合コンも就活の面接でさえもゴスロリで行くという常軌を逸脱した行動を取っていました。ゴスロリで面接!?ってなりますが、服飾系やゲーム会社は受け入れてくれて、就職はできました。特殊な例です。多分普通にスーツで面接行く方がいいと思います。

こう書くと、だいぶ無茶した若かりし頃…という感じがしますが、当初から「こんな可愛い服があるのなら今着ておかないと!歳をとったら着れなくなる。今できるファッションを楽しもう!」と思っていたので、不思議なことに後悔は全くありません。満足するまでやって卒業したという感じです。

今は社会の荒波にもまれ、服装はごく普通になりましたが、離れていても、ヨーロッパが産んで日本が独自改造した「ゴスロリ/ロリィタ文化」を胸に刻んで生きていきたいと思います(?)。
なので、そんな私がゴスロリなどを語るついでに、そういったデザインのネタ的なことを書いていきます。
個人の所感のまとめなので、ズレてる部分があるかもしれませんが、まぁ、そのあたりはゆるりとみていただければと思います…。

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ゴスロリ・ロリィタ・パンクは違う

ビジュアル系ファッションの代表といえばこの3ジャンルじゃないかな…と思います。
この違い…好きな人じゃないと分からないんですけど、違います。
ビジュアル系バンドの方々はこれら全てのファッションを取り入れるので(バンドによって違いはありますが)、総じて「ビジュアル系みたいな格好」「ゴスロリ」と言われることがあります。
「ゴスロリ」はこの中でも一番有名な言葉なので、何に対してもよく使われがちですが、ゴスロリもゴスロリの定義みたいなものがあります。
この3つがどう違うのかと、代表的な例を見ていきます。

ゴスロリ

ゴスロリとは、ゴシック&ロリータの略です。
ゴスロリはゴスロリで1つの文化みたいになっていますが、正確には「ゴシック」と「ロリータ」を足したものなので、元となる「ゴシック」と「ロリータ」が存在します。
「ゴシック」と「ロリータ」は、似通った雰囲気はあるものの、別物です。
では「ゴシック」と「ロリータ」のそれぞれの特徴をみていきます。

ゴシック

ゴシックと聞くと、建築や書体を思い出すかもしれません。ゴシックは元々中世ヨーロッパの建築様式を表す言葉です(Wikipediaより)。
ですがファッションにおいては、ゴシックは黒を基調とした、中世ヨーロッパの貴族のような衣装で、コウモリやドラキュラ、英国紳士などをフィーチャーさせた、ちょっとホラー感のあるものが多いです。ゴシックファッションに白いレースやリボンなどで可愛く装飾を施すとゴスロリ、生地を破ったり、チェーンや革のパーツなどハードな要素をミックスさせるとゴスパンクになります。
ゴシックが基軸になったファッション展開はビジュアル系によく見られるので、ゴシックは基本ではないかと思います。
具体的にゴシックはどんなものかというと…例えばこんな感じでしょうか。

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アニメ「黒執事」新シリーズ公式サイト
大人気アニメ、黒執事。このアニメの世界観と服装などはゴシック。女キャラの衣装にはフリル。そうなるとゴスロリです。
服装や小物などがとにかく黒い。そしてレトロな感じで余計な装飾がない。あと、この画像にも使われていますが、深い青色などを取り入れるのもゴシックにありがちです。ドラキュラが出そうな闇夜を感じさせる配色と中世っぽさがゴスロリの鍵。

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由貴香織里先生
私的には、由貴先生はゴシック漫画の開祖です。日本漫画界にゴシックを持ち込んだ人(?)で、その世界観はかなり深く、ブレないと思っています。由貴先生の影響を受けたクリエイターさんも多いのでは。
特に伯爵カインというシリーズ物のマンガがゴス感いっぱいです。イギリス貴族、猟奇的殺人などなど、中世のホラーを感じさせる要素が満載。
イラストも、闇夜のような紺、黒から、ビロードを思わせるワインレッド、くすんだゴールドなど、レトロでホラーな色が使われたものが多いです。

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アリスアウアア・ウェブサイト
設立当初からずーっとゴシックを基調とした服を作っている、アリスアウアア。普段使い出来る服はほぼない…のですが、それだけあって世界観はブレずにきっちり確立されています。レディ・ガガにも衣装提供してるとか。
ゴシックを基調に、蜘蛛やガーゼ、はたまた皮膚などをフィーチャーした、ダークと退廃的な要素を取り入れたお洋服が沢山。どことなく怖い感じもしますが、アリスアウアアのお洋服はもはや芸術です。


マリスミゼルの「Beast of Blood」。とっても大好きなPV。これぞゴス!!中世の世界観、オーケストラ、血などゴスの要素満載。薄暗い色彩設定もゴシック。マリスミゼルは神ではなかろうか。

ロリィタ

ロリータ。ロリータ界では表記は「ロリィタ」「ロリヰタ」となります。「ロリヰタ」は厨二っぽいな…。
こちらもゴシックと同じく、ビジュアル系の基本要素になります。というか、好きな人が多いです。特に女子。
ロリィタなのキーワードはフリル、リボン、ボリューミー、ピンク、白、うさぎ、くま、お茶会、アリス…いっぱい出てきた。
ロリィタは更に細分化されます。甘ロリ、姫ロリ、クラシカルロリ、黒ロリ、白ロリ、エロロリ…。いっぱいありますけど、甘ロリあたり押さえておけば大丈夫な気がします。
具体的にどんなのかといえば、お洋服ブランドが参考になるので紹介します。

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BABY,THE STARS SHINE BRIGHT
ロリィタ界の超有名店、ベイビーザスターズシャインブライト。映画「下妻物語」で衣装協力をしたブランドとしても有名。
コテコテの、甘い感じのロリィタ服が多い印象。甘ロリ。ロリィタの王道ではないでしょうか。

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Victorian maiden
ヴィクトリアンメイデン。クラシカルでエレガントなロリィタファッションのブランドです。
上のBABYさんと比べると、同じロリィタでも全然違います。ヴィクトリアンメイデンはクラシカルロリという感じの、中世のお人形のようなデザイン展開が多いです。
色もビビッドなピンクやサックスブルーなどではなく、落ち着いた感じの薔薇模様やベージュ、ブラウスも白ではなく生成りを使ってレトロさを表現しています。デザインも大人しめ。なんだろ…小公女?ロココ?って言葉が似合いそう。

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Emily Temple cute
エミリーテンプルキュート。今まで紹介したものとはまた違ったテイストのものを。
エミリーは、童話にあるようなファンシーな世界観をそのまま洋服に落とし込んだようなブランドです。フリルやリボンでコテコテ…ではなく、童話やお菓子をモチーフにした柄で、形としては大人しめのワンピースなどを展開しています。柄も水彩画や鉛筆画タッチなものが多くてアーティスティックな感じ。
クラシカルよいうよりは、ポップでちょっと現代っぽいです。コテコテのロリィタとは違うのですが、これはこれでファンシーで人気のブランドなのでご紹介。

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ジーザスディアマンテ[JESUS DIAMANTE]
ジーザスディアマンテ。また違った系統。こちらは姫ロリと呼ばれる系統かな…。
今までに比べると、より現代のファッションに近いですがゴージャスです。ロリィタというよりはお姉さん向けなような。
メイクや髪型は、縦ロールやツインテールというよりは、アゲ嬢のような巻き髪やつけまバサバサが主流。個人的にはミナミ(大阪)のギャルって感じです。

結果ゴスロリとはどのようなものか?

以上でゴシックとロリィタを紹介したのですが、ではゴスロリとはどんなものなのか…というと、これらを掛けあわせたものとなります。難しい。
つまりは「中世ヨーロッパの貴族のようで、レトロもしくは退廃的、黒が基調でフリルやリボンで飾られたファッション」ということになります。黒色にフリルやレースがいっぱいの服だけではゴスロリにはならず、中世の要素が必要です。ただ黒いだけのロリィタ服は黒ロリになります。
なんかもーほんとに興味がないとわからないんですけど、厳密にはそういう区別があります。

では次は割と分かりやすい「パンクスタイル」いきます。

パンク

パンクは分かりやすいですよね。パンクバンドとかも存在しますし、なんとなく想像がつきやすいと思います。
ゴスロリ、ロリィタと並んで、ビジュアル系(パンクかも)が好きな人に人気のファッション。
黒をベースとした服に、破れやほつれ、チェーンや革などで装飾した、カジュアルなファッションです。
どんなパンクブランドがあるのが紹介します。

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ALGONQUINS – アルゴンキン公式ホームページ
有名アルゴンキン。昔ギャル服ブランドだったような気がするんですけど、いつのまにかゴスロリ、ゴスパンクたっぷりのブランドに…。
価格帯もあって初心者がなじみやすいブランド。アイテム展開も豊富ですが、切りっぱなしや破れ、ドクロモチーフなど、パンクっぽいハードなアイテムが多いイメージです。

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SEXPOT ReVeNGe | OFFICIAL SITE
セックスポットリベンジ。パンクブランドの代表格。メンズもレディースも展開しています。
もうほんとパンク。スタッズ、ドクロ、南京錠…昔はパンクな人はみんなこれを着てるんじゃないだろうかと思ってました(今はどうか知らない)。

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Vivienne Westwood|ヴィヴィアン・ウエストウッド公式サイト
ヴィヴィアン。なぜかパンクのところに登場…。漫画/映画「NANA」で主人公のナナが愛用していたことで注目を浴び、ロックとかパンクとかやってる人が身につけてるイメージに。
厳密に言うとパンクファッションではないのですが、ヴィヴィアンのリングとかピアスとか、パンキッシュな人がつけてそうなイメージがあるので載せてみた。
服はゴシックとかパンクとか、そういうのに囚われない展開ですが、小物はロックやパンクによく合うなぁ…と思います。

パンクはこんな感じです。ビジュアル系ファッションと言っても色々あって、細かな違いがあるということは…なんとなく分かっていただけたかと…。共通するのは黒色と、どこか退廃的な感じですかね…。
これらを踏まえて、ビジュアル系のデザインについて考えていきます。

ビジュアル系デザインの基本はゴシック

ビジュアル系なデザインしたい!って時は、まずはゴシックなデザインを作ってみるのが良いと思います。
黒、退廃的…ビジュアル系に共通するこれらの要素は、ゴシックが得意です。
ゴシックの特徴は、退廃的、ホラー感、中世貴族。色は黒、青(紺)、赤、白。モチーフは十字架、薔薇、ドクロ、燭台、蝶、コルセット、シルクハット、杖、棺、葬式…。暗いなぁ…。
以上を念頭に置いて、簡単にイラストを作ってみました。

ゴシック

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うん葬式っぽい。魔の経典っぽい。
フォントはツァッフィーノ、薔薇の花はシルエットデザインさんのものを使っています。
ツァッフィーノは、Mac OSXにバンドルされているフォントです。
ゴシックなデザイン!といったらこんな感じだと思うのですが、ではこれをゴスロリ風にアレンジします。

ゴスロリ

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レースとリボンを配置しました。それに合わせて配置をちょっと変えてますけど、それだけ。
うんゴスロリ。
ゴシックに、レースやリボンなどの甘い要素を足すと、簡単にゴスロリ風になります。
ゴシックのテイストは踏襲したまま、可愛らしく飾るということでしょうか。

では次はロリィタにいってみます。

ロリィタ

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ロリィタのキーワードはフリル、リボン、ボリューミー、ピンク、白、うさぎ、くま、お茶会、アリス。
フリル、リボン、ボリューミーはゴスロリのところでクリアしているので、それにピンク、白、アリス(アリスブルーと言われる、アリスが着ているワンピースのような水色)を足してみました。
ゴスロリから色変更しただけなのですが、ちゃっかりロリィタ風になりました。
白、ピンク、アリスブルー(サックスとも言う)はロリィタに人気が高い色で、その色を使ったアイテムもたくさん出ていますし、ロリィタのキーカラーと言っても過言ではありません。
しかし、ロリィタのキーワードに薔薇はあっても十字架はあんまりないかも(いや、白ロリや黒ロリにはアリなんですけど)…と思ったので、うさぎに変えてみます。

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うん、可愛くていいんじゃないですか。ロリィタさんはうさぎさん大好き。マイメロちゃんとか大人気。

パンク

パンクのキーワードは、チェーン、革、スタッズ、破れ、かすれ、切り裂き、ドクロ、顔写真の目の部分に棒線、真っ赤なルージュの女性、不規則、タイポグラフィ…。こんな感じかなーなんか偏ってる気しますが。
これらを見ると、今まで作ってきたゴシックのデザインが使えないような気がしてきた。
そこをなんとか!

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文字や薔薇を大きくして、全体的にかすれさせました。
まだゴシック感が強いかも。

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思い切ってデストロイ。だいぶパンクに近づいた。
パンクは、要素をちょこんと置くよりも、思い切ってドーンと置いたほうがそれっぽくなると思います。
あと文字ははっきりくっきりしたフォントの方がそれっぽいような。ゴシック体が多く使われているイメージ。
原型はほぼとどめてないですが、そもそも原型をとどめないのがパンクっぽいかも。(え?)
もっとドカーンと壊したほうがデザイン的には良さげな気もしてきました。

デストロイしすぎて、上のロリィタと比べるとほんともう全然違う…薔薇の形が一緒なだけかな…。

とりあえずまとめ

以上、ビジュアル系にありがちなデザインでした。
とりあえずまとめてみます。

ゴシック・ゴスロリ

  • ・色は黒、紺、エンジ、紫など、闇夜や血、を連想するもの
  • ・中世貴族感を忘れてはならない。貴族のような品の良さを!
  • ・ゴスロリは、ゴシックに可愛い要素(少女的な要素)をプラスする

ロリィタ

  • ・色は白、ピンク、アリスブルー(サックス)
  • ・リボンやレースでボリューミーに。盛り盛りで(場合によるけど)
  • ・ファンシー感を忘れてはならない。

パンク

  • ・色は黒、灰、鮮やかな赤
  • ・デストロイ。とにかく破壊的でとんがった感じに。
  • ・要素はドーンと大きめに置く。

まったく個人的な感じなんですけど、こんな感じですかね…。
もっともっと奥深いと思うのですが、簡単にパパっと作るなら、この辺りを踏まえるとやりやすいんじゃないかと思いました。
こういうデザイン、作る機会ってあんまりないと思うんですけど…。

ほんと趣味に走ったまとめで、最後まで需要ある気があんまりしなかったですけど、久々に振り返りができて満足です。自己満足です。

それでは!Have a nice design!!