誰かに見てもらうための、簡単なデザイン

和菓子の造形から学ぶ、和風デザインのヒント

夏ですねー、というわけで、夏は和菓子との遭遇率が増えるなぁと思っている私です。
かき氷とか水まんじゅうとか水羊かんとか!!あるよね!
和菓子は職人さんが丁寧に作っているだけあって、とても綺麗です。あの独特の色使いと形がたまりません。特に練りきりなどは芸術だなぁ…と、見るといつも感心してしまいます。
そんな和菓子の造形や色使いから、和風デザインに関するインスピレーションがもらえるのではないかと思って、ちょっとまとめてみました。
前回の記事「和モダンの作り方~Road to modanyaki~」などと合わせて読んで頂ければ嬉しいですすみません。何故謝る。

造形やら何やらから、順番に見ていこうと思います。

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和菓子は、少しいびつ

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和菓子|株式会社仙太郎

以前の記事でも紹介したのですが、仙太郎さんのホームページでは、和菓子がアプリアイコンのように並べてあります。
これを見ると、造形がよく分かる…のですが、和菓子ってちょっといびつな形をしていますよね。
綺麗な丸や四角を目指そうとしたけれど、ちょっと崩れたような形。同じお菓子でも、1つ1つの形は微妙に違います。手作り感が満載です。
そして、左下の羊かん。これは型に入れられているので、きっちりした形…のように思えますが、中に入っている小豆が不規則です。大きさとか、配置とか、多分1つ1つ違いますよね。きっちりした造形の中に、少し不規則な要素があるのは、いびつな形とどこか通ずるものがあります。
もちろん、綺麗な形で、透明×小豆の粒ではない羊かん(写真一番下の真ん中のような)も存在します。これはこれで和風な感じがします…その理由はマットな質感と鈍い光沢(グラデーション)じゃないかなぁと思うんですが、後述します。

きっちりした中にいびつさを取り入れて、例を作ってみました。

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きっちりした四角や丸の中に、1つだけいびつな丸を入れてみました。
手描きのようなラフな要素を少し取り入れて崩すと、なんだかグッと和っぽくなるマジック。ちょっとの差な気もしますが…。

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愛媛名物、坊ちゃん団子。
串団子なども「規則正しくていびつ」な例ですね。色も正しく並んでいるのに、形がいびつ。手作りならでは。
どこかに手作りっぽいラフさを取り入れるのが、和風デザインのポイントなのかもー。

マットな質感、鈍い光沢

シロップやジュレ、コーティングチョコレートなどでキラキラした洋菓子に比べ、和菓子の光沢はどことなく鈍いものがあります。
あんことかもそうですが、表面はザラザラですね。あとはきな粉とかもち粉とか、和三盆とか、粉っぽさを感じる要素があり、それがお菓子の表面にも出ています。羊かんも、表面はツルッとしながら、切ってみるとあんこのザラザラさを感じたり。このザラザラさがマット感を演出しているのかと。
くず餅など透明なものも、透き通った透明ではなく、鈍く光るような、少し濁った透明ですね。

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たねやのお菓子 | たねや

たねやの寒天。透明なようで不透明ですねー。そして鈍く光っている。じゅるり。
ちょっとマットな感じが、和っぽいしとやかさというか…たおやかさ?そういうのがあるのかもー。

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和菓子の工房 日菓(にっか)

京都の和菓子工房、日菓さんの作品。見た目も艶やかで、デザイン的にも洋風な薔薇なのに、なんか和風。先述したいびつさ(ラフ感)と、あとはマットな輝きかなぁ…と思ったりします。ていうか日菓さんの作品はどれも可愛くて芸術的…!!

これらの例から、つるっとした質感よりも、ザラッとしたマットな質感を表現しよう、そして光沢は何となく鈍い!と思いながらデザインしていくと良いかもです(・∀・)☆

マットで鈍い光沢を出すには?

私がぱっと思いついたのは、鈍いグラデーションですかね…あまり色の変化がないようなもの。
こんな感じ。

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グラデーションなの?と思われがちな、ほんのりグラデーション。暗い色と明るい色の差をあまりつけない方法。これで鈍く当たった光の感じを出します。
更にPhotoshopやIllustratorのノイズフィルターとかをかけてザラザラした感じにすると、更に良くなるのではないでしょうか?

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これはIllustratorの効果「粒状」を加えてみました。ちょっとざらっとした感じが出ましたね。どことなく和紙の雰囲気もあります。
どら焼きや栗まんじゅうなどの生地の焼き加減(色)も、こんな感じの茶系グラデーションなような気がする…!と無理矢理和菓子にこじつけたりしますw

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上の色サンプルを使って、おはぎを作りました。それだけ。

落雁から見る、デフォルメと配色

落雁…いわゆる砂糖菓子。寒梅粉と砂糖を混ぜて、食紅などで色付けして、型に入れて押し込んで固めて、出来上がります。お盆シーズンの主役(そうだっけ?)。落雁大好き。

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園の賑い | 鍵善良房

色とりどりで可愛い落雁。画像は一部落雁でないもの(ゼリー?)が混じってますが(;´∀`)
落雁は、花や水面、蝶などを型抜きしやすくデフォルメしたものが多いです。
シンプルに単純化した造形。色数も多くありません。シンプルな和風です。

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和菓子の老舗 鶴屋八幡 ネットショップ | お干菓子のご案内
鶴屋八幡の落雁は、細かいところまで表現されている&はっきりした色使いが素敵です。使っている色が少なくても、彫りで表現する。和や洋に限らず、芸術でよくある手法ですね。
しかし和風は、ちょっとデフォルメした形が特徴かも。上の画像でいうと、鶴の羽の細かさを、綺麗に並んだ曲線で表現したり、雲模様も渦巻きのような形で表現されています。
羽の曲線、鶴の尾の笹のような模様、雲の渦巻き…など、同じ箇所に同じ形のものを並べてできたデザイン、というのも特徴です。前回の記事でも書いたのですが、和風の模様は、市松や菱、矢がすり、唐草など、同じ形のものが規則正しく並べられて出来たものが多いです。これは和の特徴的なものかな。
そして、そうして出来た模様を和色で色付けすると、和デザインの完成です。

練りきりに使われるワンポイント配色

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京菓匠 鶴屋吉信|季節と和菓子
和菓子が芸術だと感じる種類の1つ、練りきり。
求肥や、白あんを使った練り切り餡を色付けし、花や果実などを形づくっていく生菓子ですね。
季節に合わせた素材を使って、その時の花や果実を表現しているのは流石というか…日本の良さを感じさせます。
そして美味しい!これに尽きますw

練りきりで注目したいのは、配色。青や紫など、食べ物としてはどうなの?と思われる色もよく使われていますが、それでもお茶の席によくマッチして、普通に食べられていますね。そして、単色も多いですが、ベースの色とは違う色でワンポイントが入っていることが多いです。
上の画像の「ほおずき」のような、熟れたような感じのピンクや黄色のお菓子の方が食欲を掻き立てる色ではありますが、その下の「初秋(きんとん)」のように、寒色が主で夏らしく涼し気な雰囲気のお菓子も、これはこれで魅力を感じてしまう…。雫のような青の差し色が可愛い。
青や緑のケーキってあまりないような気がしますが(緑は抹茶があるか…)、和菓子だとそんな色も、デザインの重要なポイントです。

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お花見に♪かわいい練りきり by たまごろう [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが151万品

クックパッドにも練りきりがいっぱい紹介されていました。家で作れるんだ…(*゚∀゚)!!
こうして色を見ると、1つのお菓子につき、同系色も反対色も使われていますが、色の差ははっきりしています。薄いピンクに濃いピンク、黄色に黄緑色…。同じ系統の色でも、境界がはっきりしています。
しかし注目したいのは、色のトーンも同じ感じだということ。ちょっとパステル系、というか柔らかい感じの色が使われていますね。そして、それらを乗せているお盆や風呂敷は、くすんで暗めの色味のものが多いです。
ここなのですよー!!和風の食器や布などは、エンジや紺色…などちょっと暗くて重い色が多いです。そこに、少しふんわりとした色味ののお菓子を入れることで、お菓子が引き立ち、綺麗に見えます。
和菓子と和食器の関係…よく考えられています…!

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生菓子 | 鍵善良房

エンジのお盆に乗った、花のつぼみのようなお菓子。お菓子自体はお盆より明るい色味で、存在感があります。黄色の飾りも目を引きますし、赤系でまとめられた画像のアクセントになっていますね。差し色が入ることよって、ちょっぴり華やかさが出ます。
暗めの色に明るめの色を配置する、そしてワンポイントになる色をどこかに置く。全てがそうだというわけではないですが、こんな配色を心がけると、和風っぽくなるのかもー。

和っぽい配色ってよく分からんわー、何色使ったらいいの?という方は、こちらのブログ記事が参考になります。着物の色合せですが…。

日本の伝統色の組み合わせ、襲色目(かさねいろめ)の色コードまとめ *Ateitexe

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そんな感じの配色で作ってみました。電源マークって洋なモチーフですが、色で和っぽさを表現!ちょっと和風っぽさ感じられますか?ゴリ押しですか?そうですか…(´・ω・`)ショボーン
文章などに意味はあまりありません( ー`дー´)キリッ!

以上ざっくりですがまとめてみました。和デザインのヒントというよりは、和菓子博覧会になったような気もしないでもない…ゲフンゲフン。

和の伝統を今も受け継ぐ和菓子。日本古来の良さを落としこんでデザインしていきたいものです(理想)。
何かの参考になれば幸いです。

それでは!Have a nice design!